あっと思った時にはもう遅かった。 調子よく駆け下りた階段の中程で ふわりと体が宙に浮く。 雨で校舎の床が滑るから気をつけるよう先生が言っていたのに。 咄嗟に身構えた瞬間、 ぽすんと柔らかな衝撃に包まれる。 「っセーフ! なんかいまの俺、かっこよくない⁉」 階下で私を受け止めた彼がニッと笑った。 『……かっこいいよ』 ===============