貸してくれたマフラーを首に巻いたら 当たり前だけど鼻先で彼の香りがするから。 「きみの香りがするね」 なんてつい思ったままに言ってしまった。 徐々に湧き上がる恥ずかしさを誤魔化すように笑えば、 ふいっと前を向いてしまう寒がりの彼。 横顔がほんのり赤い気がするのは 冷たい風のせい? それとも――。 『私とだからだったらいいのに』 ===============