日が沈んで急に冷え込んだ帰り道、 僕の隣で君が寒そうに首を竦めて歩いていたから。 少し痩せ我慢をしてマフラーを差し出すと それを首に巻いた彼女は「きみの香りがするね」と 顔を半分うずめて嬉しそうに笑った。 あまりにも可愛くて直視できずに前を向く。 その顔ってみんなに見せてるの? それとも――。 『僕だけだったらいいのに』 ===============