君に伝えたい”好き”がある


さっきまでは晴れてたのに。
昇降口の軒先から見上げた先は止みそうにない雨空。
姉貴曰(いわ)く、蟹座の俺は今日の星占いで一位らしいのだが、
本当か?
駅まで走るか? いやでも。
「あれ?」
傘もなく困っていると背中から彼女の声がした。
「入ってく?」
「……おう。わりぃ、ありがと」
なるほど、こういう事か。


『今日の運勢、一位は蟹座』

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