七時四十八分着の電車。 開いたドアからホームへ降り 一番近いエスカレーターに乗る。 僕は下、彼女は上から。 僕らは少しずつ近づいて―― 隣り合う瞬間、どちらからとも無くこっそりと会釈を交わす。 いつからか、この一瞬が毎日の楽しみになっていた。 まだ名前も知らない彼女に、僕は今日もまた恋をする。 『隣り合う一瞬』 ===============