会社を出て三つ目の交差点。
明るく輝く赤信号で足を止めスマホの画面をつけて、消す。
空を見上げれば生憎と月は霞の向こうで
ただそこにある事がわかる程度のぼんやりとした光を放っている。
ライトアップされた田舎の電波塔の先端も今夜は雲の中で見えない。
なんだか無性に、君の声が聞きたくなったよ。


『ボクと電波塔』

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