この国にやって来たばかりの頃、季節は春のような過ごしやすい季節だったというのに、月日はあっという間に過ぎていき、先日はテストが行なわれ、数日後には学祭、それも終われば長期休暇が始まる。そんな休日の朝、アンリは今朝も食堂でフレッドと二人、のんびりと朝食を取っていた。
「アンリ様、本日は何をなさいますか?」
「うーん、そうだなぁ。今日は書庫で読書でもしようかな」
「では読書の合間の休憩で息抜きができるように、紅茶やお菓子の用意をしておきますね」
「うん、ありがとう」
そんな会話をしていると何の前触れもなく扉が開き、同時にアンリとフレッドの間で繰り広げられていた会話も自然と止まった。
フレッドはドアを開けた人物を見ると目を見開き、顔を強張らせる。フレッドの視線の先に一足遅れてアンリも目線を向けると扉を開けた人物の正体はお父様とお母様だった。
「旦那様、申し訳ありません」
フレッドはただ謝ると慌ただしく立ち上がり、自分のまだ食べ終わっていない食器をまとめだす。そんな姿にアンリは必死になって言葉を探す。
「フレッドは悪くないの。私が無理を言って、一緒に食べているだけだから」
「いえ、アンリ様のせいではありません。私の気の緩みが原因です」
必死にフレッドを庇おうとするアンリと自らを律するフレッドにお父様とお母様は怒るどころか、二人揃ってより一層優しい笑みを浮かべる。
「フレッド、その片付けようとしているお皿を置きなさい」
「そうよ。貴方がアンリと朝食を一緒に取ってはダメなんて、一度も言ったことないわ」
「ですが…」
「アンリには普段、一人で朝食を取らせてしまっているんだもの。ご飯を食べる時はやっぱり一人で食べるより誰かと一緒に楽しんで食べた方が良いわ」
「ほらフレッド、分かったら席に座りなさい」
「…はい」
フレッドは迷いながらも手に持っていたお皿をテーブルに戻す。そしてフレッドが腰を下ろしたことを確認すると、お父様とお母様は何をするわけでもなく、そのまま食堂を出ていこうとする。それでも何かを思いだしたのか、お母様だけがアンリ達の方を振り返る。
「フレッド、後で私達のお部屋にいらっしゃい」
その一言だけを言うと二人は食堂を出ていった。
お父様達に咎められなかったこと、なにより二人がフレッドのことを認めてくれていると改めて知ることができて安心だ。だが急な出来事に気を張った分、なんだか朝から疲れた。
そんなアンリと違い、フレッドは食事が終わるまで黙り続けた。その表情は一向に変わることもないままで、アンリには彼が何を考えているのか、全く想像もつかなかった。
「アンリ様、本日は何をなさいますか?」
「うーん、そうだなぁ。今日は書庫で読書でもしようかな」
「では読書の合間の休憩で息抜きができるように、紅茶やお菓子の用意をしておきますね」
「うん、ありがとう」
そんな会話をしていると何の前触れもなく扉が開き、同時にアンリとフレッドの間で繰り広げられていた会話も自然と止まった。
フレッドはドアを開けた人物を見ると目を見開き、顔を強張らせる。フレッドの視線の先に一足遅れてアンリも目線を向けると扉を開けた人物の正体はお父様とお母様だった。
「旦那様、申し訳ありません」
フレッドはただ謝ると慌ただしく立ち上がり、自分のまだ食べ終わっていない食器をまとめだす。そんな姿にアンリは必死になって言葉を探す。
「フレッドは悪くないの。私が無理を言って、一緒に食べているだけだから」
「いえ、アンリ様のせいではありません。私の気の緩みが原因です」
必死にフレッドを庇おうとするアンリと自らを律するフレッドにお父様とお母様は怒るどころか、二人揃ってより一層優しい笑みを浮かべる。
「フレッド、その片付けようとしているお皿を置きなさい」
「そうよ。貴方がアンリと朝食を一緒に取ってはダメなんて、一度も言ったことないわ」
「ですが…」
「アンリには普段、一人で朝食を取らせてしまっているんだもの。ご飯を食べる時はやっぱり一人で食べるより誰かと一緒に楽しんで食べた方が良いわ」
「ほらフレッド、分かったら席に座りなさい」
「…はい」
フレッドは迷いながらも手に持っていたお皿をテーブルに戻す。そしてフレッドが腰を下ろしたことを確認すると、お父様とお母様は何をするわけでもなく、そのまま食堂を出ていこうとする。それでも何かを思いだしたのか、お母様だけがアンリ達の方を振り返る。
「フレッド、後で私達のお部屋にいらっしゃい」
その一言だけを言うと二人は食堂を出ていった。
お父様達に咎められなかったこと、なにより二人がフレッドのことを認めてくれていると改めて知ることができて安心だ。だが急な出来事に気を張った分、なんだか朝から疲れた。
そんなアンリと違い、フレッドは食事が終わるまで黙り続けた。その表情は一向に変わることもないままで、アンリには彼が何を考えているのか、全く想像もつかなかった。

