俺には、困っていることがひとつある。
というのもバ先のセンパイである翔太さんが、最近やたらと色っぽい。……というか、なんかやたらとエロ臭いのだ。
これまで彼はどちらかというと、俺よりも年上ながらお馬鹿可愛いという言葉が似合う感じだった。
だけど恋人が出来てから、すっかり雰囲気が変わってしまった。
着替え中にうっかり見えてしまった、キスマーク。
しかも背中にびっしり付いているのを見て、腐男子の俺としてはとても美味しい展開に大興奮だったわけだが、最近はそうも言ってはいられなくなってしまった。
というのも翔太さんの過保護な恋人 朔さんが、バイト終わりに彼を迎えに来た際、毎度毎度綺麗な顔で、笑顔のまま牽制してくるのだ。
むしろ俺は彼らふたりの愛のキューピッドであり、両思いの功労者だと思う。
なのに空気が読めないことに定評がある翔太さんが度々俺のことを話題に出すおかげで、朔さんは俺に対して敵意のある視線をビシバシと投げかけてくるのだ。
狙ってません、むしろ応援してますオーラをいつも漂わせているのに、執着心の塊のようなあの人は、きっといまだに俺のことを警戒しているのだろうと思う。
なので朔さんがお迎えに来た際に、またしても翔太さんが腹を壊してトイレで立てこもり犯となっていたタイミングで、あえてこちらから彼に直球で話題を振ってみることにした。
「あのぉ……、朔さん?」
「うん。なぁに? 亮平君」
……笑顔でキレる美人(♂)、マジでこええ!!
けど俺の平穏な毎日を取り戻すためにも、ここで怯むわけにはいかない。
なので俺も引きつりながらも無理やり笑顔を浮かべ、答えた。
「俺はご存じの通り腐男子っすけど、ノンケなんで。カノジョ持ちだし、あんま警戒して威嚇しないでもらえたらありがたいなぁ、なんて思ったりし……て……」
後半言葉がフェイドアウト気味になったのは、そう。
いつもクールな雰囲気の朔さんの顔が見る間に赤くなり、うつむいたままフルフルと震えていたからだ。
突然のことに、戸惑う俺。すると彼は真っ赤な顔のまま口元に手をやり、情けなく眉尻を下げて告げたのだ。
「ごめん。……ほんと俺、余裕なくて。だよね、翔太からもちゃんと聞いてるから」
数秒の、沈黙。しかし我に返り、俺はにへらと笑って告げた。
「アハハ、いんじゃないっすか? それだけ翔太さんが、大切だってことだと思うし。余裕のない朔さん見て、なんか安心しました。翔太さん、めっちゃ愛されてんだなぁって!」
すると彼はますます赤くなり、だけどすぐに余裕を取り戻したのか顔を上げて艶っぽく笑い、自身の口元に人差し指を当てて言った。
「……ほんと、ごめん。でもこんなかっこ悪いこと、翔太には内緒にしといて」
アイドルも真っ青なそのビジュで、それをやるとか。……絶対に、確信犯じゃん!!
圧倒的な美の暴力を前に、今度は俺が真っ赤になり悶絶した。
しかしこのやり取りで、俺の中の腐男子魂に完全に火が付いてしまったようだ。
次回の、コミケの新刊。……地味平凡無軸誘い受け✕美麗執着攻め。これで行こう!!
フンスと鼻息荒くそう決意したタイミングでトイレからようやく戻ってきた翔太さんは、興奮する俺をただ不思議そうに見つめて首を傾げた。
というのもバ先のセンパイである翔太さんが、最近やたらと色っぽい。……というか、なんかやたらとエロ臭いのだ。
これまで彼はどちらかというと、俺よりも年上ながらお馬鹿可愛いという言葉が似合う感じだった。
だけど恋人が出来てから、すっかり雰囲気が変わってしまった。
着替え中にうっかり見えてしまった、キスマーク。
しかも背中にびっしり付いているのを見て、腐男子の俺としてはとても美味しい展開に大興奮だったわけだが、最近はそうも言ってはいられなくなってしまった。
というのも翔太さんの過保護な恋人 朔さんが、バイト終わりに彼を迎えに来た際、毎度毎度綺麗な顔で、笑顔のまま牽制してくるのだ。
むしろ俺は彼らふたりの愛のキューピッドであり、両思いの功労者だと思う。
なのに空気が読めないことに定評がある翔太さんが度々俺のことを話題に出すおかげで、朔さんは俺に対して敵意のある視線をビシバシと投げかけてくるのだ。
狙ってません、むしろ応援してますオーラをいつも漂わせているのに、執着心の塊のようなあの人は、きっといまだに俺のことを警戒しているのだろうと思う。
なので朔さんがお迎えに来た際に、またしても翔太さんが腹を壊してトイレで立てこもり犯となっていたタイミングで、あえてこちらから彼に直球で話題を振ってみることにした。
「あのぉ……、朔さん?」
「うん。なぁに? 亮平君」
……笑顔でキレる美人(♂)、マジでこええ!!
けど俺の平穏な毎日を取り戻すためにも、ここで怯むわけにはいかない。
なので俺も引きつりながらも無理やり笑顔を浮かべ、答えた。
「俺はご存じの通り腐男子っすけど、ノンケなんで。カノジョ持ちだし、あんま警戒して威嚇しないでもらえたらありがたいなぁ、なんて思ったりし……て……」
後半言葉がフェイドアウト気味になったのは、そう。
いつもクールな雰囲気の朔さんの顔が見る間に赤くなり、うつむいたままフルフルと震えていたからだ。
突然のことに、戸惑う俺。すると彼は真っ赤な顔のまま口元に手をやり、情けなく眉尻を下げて告げたのだ。
「ごめん。……ほんと俺、余裕なくて。だよね、翔太からもちゃんと聞いてるから」
数秒の、沈黙。しかし我に返り、俺はにへらと笑って告げた。
「アハハ、いんじゃないっすか? それだけ翔太さんが、大切だってことだと思うし。余裕のない朔さん見て、なんか安心しました。翔太さん、めっちゃ愛されてんだなぁって!」
すると彼はますます赤くなり、だけどすぐに余裕を取り戻したのか顔を上げて艶っぽく笑い、自身の口元に人差し指を当てて言った。
「……ほんと、ごめん。でもこんなかっこ悪いこと、翔太には内緒にしといて」
アイドルも真っ青なそのビジュで、それをやるとか。……絶対に、確信犯じゃん!!
圧倒的な美の暴力を前に、今度は俺が真っ赤になり悶絶した。
しかしこのやり取りで、俺の中の腐男子魂に完全に火が付いてしまったようだ。
次回の、コミケの新刊。……地味平凡無軸誘い受け✕美麗執着攻め。これで行こう!!
フンスと鼻息荒くそう決意したタイミングでトイレからようやく戻ってきた翔太さんは、興奮する俺をただ不思議そうに見つめて首を傾げた。

