本稿の終わりに、執筆に至った経緯を記す。
 
 鍵田氏は二十一年目の九月を前に、「幸福/不幸の手紙」などの「チェーンメール」について調査することにした。最たる目的は「幸せなメール」を受信した人物を探すことだったという。

 そして、その人物に訪れた「本当の幸せ」が何かを探るためであった。しかし、「転送すると信じていない人になる」こともあり、本メールを受信し、なおかつ信じている人物は発見できなかったと語っている。

 そこで、鍵田氏は同様に「幸せになれることをうたった手紙やメール」を受け取った人物を探し、各々の持つ「チェーンメール」を調査することとなり、本稿が執筆されることとなった。飯塚氏による前章までは手紙や葉書に限られていた「幸運の手紙」が、本稿では「メール」というデジタル環境に舞台を移している。

 最終章となる次章では、別の執筆者によるSNSにおける「チェーンメール」を取り上げる予定である。