幸せな小説家

愛されたい。
認められたい。
書くたびに、誰かの目に触れるたびに、少しだけ届くかと思った。
私が見たかった世界を見ることができるかもしれないと思った。
でも届かない。
目に映る景色はいつもと同じ。
誰かの視線の先に私はいない。
どうして、どうして私だけ、誰も見てくれないのだろう。
愛されたい。
認められたい。
書いたものは紙の上に残るだけで、冷たい反応だけを返す。
愛されたい。
認められたい。
誰かに抱きしめてほしい。
誰かに認めてほしい。
毎日願っている。
愛されたい。
誰かに「よく頑張ったね」と言ってほしい。
それだけで私はまだ頑張れる。
私はただ本当の愛が欲しいだけ。
けれど、誰も答えてはくれない。
この世界は何も答えない。
だから私は、私を愛してくれる世界が好きだ。
私が書いた物語だけが私を認めてくれるから。
私は物語だけに全てを求める。