翌日の朝は、ズキズキと響く頭の痛みで目が覚めた。
昨夜、調子よく酔っ払った反動に襲われているらしい。
そんな僕とは反対に、カーテンの隙間からは爽やかな朝日が差し込んでいる。
「うぅ……吐きそう」
ソファから身体を起こすと、起きたばかりだというのに頭痛に加えて、胃までもムカムカしてきた。
変な寝相になっていたせいで身体もバキバキだし、完全に二日酔いだし最悪だ。
それよりも最悪なことは、昨晩の自分の醜態を覚えていることだ。
「はああ。なあんで僕はあんなことしたの」
胃のむかつきと頭の痛さに耐えながら、一人で静かに頭を抱える。
これまで眺めるだけで満足していた相手と食事に行き、挙げ句の果てに駄々をこねてキスまでさせるなんて。
それに、翔太くんは僕にキスを奪われたのにも関わらず、こんな僕を丁寧に家まで送ってくれた。
翔太くんがスマートに振る舞ってくれているのを良いことに、僕といったら家に着いてからも散々だった。
『服を着替えるから見てて』とか意味不明なことを言った記憶がある。
しかも、着替え終わってからら『よくできました』とか何とか言って褒めてもらっていた。
思い出すだけで恥ずかしい。
「……でも、翔太くんとのキス、なんだか良かったな」
ふと、自分の唇を指でなぞると、翔太くんのふわっと柔らかな唇の弾力と、頬に触れた熱い手のひらの感触が蘇ってきた。
「って、いや、違う違う。謝んなきゃ」
僕は慌ててソファーの近くを探し、充電されているスマホを手に取る。
スマホの画面を見ると、『翔太です!春馬さん、寝ちゃってたので起こさないで出ました!いろいろハプニングがありましたけど、またご飯いきましょーね』と、翔太くんからのLINEのメッセージがあった。
どこまで紳士的なのだろう。
僕はそのメッセージを見て、すぐに翔太くんに電話をかけた。
「もしもし?」
スマホ越しに耳元で翔太くんの声がする。
「あ、もしもし。佐野です、佐野春馬です」
「春馬さんおはようございます。二日酔いとかなってませんか、大丈夫?」
「だっ、大丈夫、ではないんだけど。えっと、昨日は本当にごめんなさい」
急いで謝罪の言葉を述べながら、どの方角にいるのかわからない翔太くんに向けて頭を数回ペコペコと下げる。
「あははっ、大丈夫っすよ」
「いや、あの。ほんとキス……とかしちゃって、その後もずっと迷惑をおかけして……本当にどうお詫びしたら良いものかと」
「まあ、俺たちキスしちゃいましたけど、俺は春馬さんとまた飯行って色んな話したいし、聞きたいって思ってますよ」
「ほんとですかっ、あぁ、ありがとうございます」
翔太くんの優しい言葉にホッとする。
僕は胸に手を当てて大きく息を吐いた。
「でも僕に何かお詫びをさせてください。ご飯をご馳走するでも、何かを買うでも、なんでもしますので」
「別にいいっすよ、お詫びなんて。あっ、じゃあ、俺のサッカーの練習に付き合ってくださいよ」
「え?サッカー?」
「そっす。来週の土曜の夜は仕事っすか?」
「いや……休み、かな」
僕は翔太くんの話に流されるように返事をする。
「じゃあ、来週の土曜日、いつもの弁当屋の前で集合ってことで!細かい時間は後で決めましょ。とりあえず、俺、練習行ってきますっ」
「あぁ、うん。練習がんばってね」
僕はそう言って練習に向かう翔太くんとの通話を切った。
(え、サッカー?運動音痴で素人の僕が?どうしよう)
謝罪の電話をしたはずなのに、いつの間にか一緒にサッカーをする約束をしてしまっている。
僕のお詫びに対する提案だから、良いのかもしれないけど、翔太くんはこんな素人と一緒にサッカーなんかして楽しいのだろうか。
むしろ、ボールを使ってボコボコにするつもりだったらどうしよう。
僕は翔太くんに流されたとはいえ、とんでもない約束をしてしまったのかもしれない。
昨夜、調子よく酔っ払った反動に襲われているらしい。
そんな僕とは反対に、カーテンの隙間からは爽やかな朝日が差し込んでいる。
「うぅ……吐きそう」
ソファから身体を起こすと、起きたばかりだというのに頭痛に加えて、胃までもムカムカしてきた。
変な寝相になっていたせいで身体もバキバキだし、完全に二日酔いだし最悪だ。
それよりも最悪なことは、昨晩の自分の醜態を覚えていることだ。
「はああ。なあんで僕はあんなことしたの」
胃のむかつきと頭の痛さに耐えながら、一人で静かに頭を抱える。
これまで眺めるだけで満足していた相手と食事に行き、挙げ句の果てに駄々をこねてキスまでさせるなんて。
それに、翔太くんは僕にキスを奪われたのにも関わらず、こんな僕を丁寧に家まで送ってくれた。
翔太くんがスマートに振る舞ってくれているのを良いことに、僕といったら家に着いてからも散々だった。
『服を着替えるから見てて』とか意味不明なことを言った記憶がある。
しかも、着替え終わってからら『よくできました』とか何とか言って褒めてもらっていた。
思い出すだけで恥ずかしい。
「……でも、翔太くんとのキス、なんだか良かったな」
ふと、自分の唇を指でなぞると、翔太くんのふわっと柔らかな唇の弾力と、頬に触れた熱い手のひらの感触が蘇ってきた。
「って、いや、違う違う。謝んなきゃ」
僕は慌ててソファーの近くを探し、充電されているスマホを手に取る。
スマホの画面を見ると、『翔太です!春馬さん、寝ちゃってたので起こさないで出ました!いろいろハプニングがありましたけど、またご飯いきましょーね』と、翔太くんからのLINEのメッセージがあった。
どこまで紳士的なのだろう。
僕はそのメッセージを見て、すぐに翔太くんに電話をかけた。
「もしもし?」
スマホ越しに耳元で翔太くんの声がする。
「あ、もしもし。佐野です、佐野春馬です」
「春馬さんおはようございます。二日酔いとかなってませんか、大丈夫?」
「だっ、大丈夫、ではないんだけど。えっと、昨日は本当にごめんなさい」
急いで謝罪の言葉を述べながら、どの方角にいるのかわからない翔太くんに向けて頭を数回ペコペコと下げる。
「あははっ、大丈夫っすよ」
「いや、あの。ほんとキス……とかしちゃって、その後もずっと迷惑をおかけして……本当にどうお詫びしたら良いものかと」
「まあ、俺たちキスしちゃいましたけど、俺は春馬さんとまた飯行って色んな話したいし、聞きたいって思ってますよ」
「ほんとですかっ、あぁ、ありがとうございます」
翔太くんの優しい言葉にホッとする。
僕は胸に手を当てて大きく息を吐いた。
「でも僕に何かお詫びをさせてください。ご飯をご馳走するでも、何かを買うでも、なんでもしますので」
「別にいいっすよ、お詫びなんて。あっ、じゃあ、俺のサッカーの練習に付き合ってくださいよ」
「え?サッカー?」
「そっす。来週の土曜の夜は仕事っすか?」
「いや……休み、かな」
僕は翔太くんの話に流されるように返事をする。
「じゃあ、来週の土曜日、いつもの弁当屋の前で集合ってことで!細かい時間は後で決めましょ。とりあえず、俺、練習行ってきますっ」
「あぁ、うん。練習がんばってね」
僕はそう言って練習に向かう翔太くんとの通話を切った。
(え、サッカー?運動音痴で素人の僕が?どうしよう)
謝罪の電話をしたはずなのに、いつの間にか一緒にサッカーをする約束をしてしまっている。
僕のお詫びに対する提案だから、良いのかもしれないけど、翔太くんはこんな素人と一緒にサッカーなんかして楽しいのだろうか。
むしろ、ボールを使ってボコボコにするつもりだったらどうしよう。
僕は翔太くんに流されたとはいえ、とんでもない約束をしてしまったのかもしれない。



