紙芝居「潮光の行方」始まり始まりー。
はじまりの闇、
まだ名もない風たちが、
ひとつの門をめざして勢いよく飛び込んだ。
スプリ族は稲妻。
闇を裂き、光を追う。
速く、軽く、まっすぐに。
だが酸の潮が眠るとき、
その光は霧に溶け、
燃え尽きる。
ステイ族は波。
音もなく、ゆっくりと進む。
酸の海にも消えず、
ただ祈るように前へ前へと泳ぐ。
だが辿り着くのが遅ければ、門は閉じる。
門の向こうで、
女神が潮をゆらす。
その身の震えが、風を選ぶ。
速すぎず、遅すぎず、
一瞬の呼吸が、
ひとつの命を招く。
たどり着く者は、選ばれし者。
ただ、宇宙の時間(とき)を超え、
偶然と必然のあわいを越え、
この世界の奇跡を一身に受ける者。
その光は、
存在のすべてを讃える証。
夜は静かに閉じ、
潮は眠り、
世界はひそやかな呼吸の中で、
命の行方を抱きしめる。
はじまりの闇、
まだ名もない風たちが、
ひとつの門をめざして勢いよく飛び込んだ。
スプリ族は稲妻。
闇を裂き、光を追う。
速く、軽く、まっすぐに。
だが酸の潮が眠るとき、
その光は霧に溶け、
燃え尽きる。
ステイ族は波。
音もなく、ゆっくりと進む。
酸の海にも消えず、
ただ祈るように前へ前へと泳ぐ。
だが辿り着くのが遅ければ、門は閉じる。
門の向こうで、
女神が潮をゆらす。
その身の震えが、風を選ぶ。
速すぎず、遅すぎず、
一瞬の呼吸が、
ひとつの命を招く。
たどり着く者は、選ばれし者。
ただ、宇宙の時間(とき)を超え、
偶然と必然のあわいを越え、
この世界の奇跡を一身に受ける者。
その光は、
存在のすべてを讃える証。
夜は静かに閉じ、
潮は眠り、
世界はひそやかな呼吸の中で、
命の行方を抱きしめる。



