それから、俺たちはイワネズミの巣があるという場所に向かうことになった。
十人のほど憲兵歩くグラムの隣に俺とノエルが、一歩後ろにエイラや前に俺が助けた憲兵たちがいた。
イワネズミの巣の場所は分からないので、グラムに案内してもらいつつ、俺はおっさん探検家の力を使って、極力魔物と遭遇しない道を提案しながら進んでいた。
そんなスキル『おっさん』の力のおかげもあって、魔物との接触回数を最小限に抑えることができていた。
「博さん……あなた、本当にG級冒険者なんですか?」
何事も問題なくイワネズミの巣に向かっていると、グラムが眉をひそめてそんなことを聞いてきた?
「そうですけど、なんでです?」
「ここまで魔物と遭遇しない道が分かる人に出会ったことがなかったので、少し驚いていまして。もしかして、有名な採取家とかだったんですか?」
「いやいや、有名な採取家ってそんなんじゃないですよ」
グラムがふざけて言っているのかと思い、笑いながら手を横に振って否定すると、グラムは真剣な表情のまま俺を見つめていた。
どうやら、本気で俺をその道のプロかなにかと勘違いしているみたいだ。
ふむ。あまり期待をさせ過ぎるのも悪いか。
俺はそんなふうに考えて、何でもないふうに口を開く。
「そんな大したことしてなかったですって。以前は全く関係ない仕事をしてましたよ」
「全く関係のない仕事を? こ、これだけの力がありながらですか?」
「ええ。冒険者をやるまでは気づかなかったって感じですね」
俺がそう答えると、グラムはしばらくの間ぽかんとしてしまった。それから、難しそうな顔で何かを考えてから目をぱちぱちとさせる。
「博さんの才能を見抜けない職場って……周りの人間に問題があるのでは?」
「いやいや、とんでもない! ことも、なかったのかな?」
別に、転移前の俺に才能があったとかではないのだが、周りの人間に問題がなかったかと言われると何とも言えない気がする。
法定労働時間を大幅にオーバーしているのに、オーバー分を申告させなかったり、気に入らないことがあれば恫喝したりしてくるような上司がいる会社がまともだったかと言われれば、そうではない気がする。
こうして、会社から離れてみることで、今まで送ってきた生活が異常だったことを実感する。
「すみません。あんまり思い出したくないことなので、昔の話はこの辺で」
「も、申し訳ありません。あまり聞かれたくないこともありますよね」
「まぁ、そうしてもらえるとーー」
眉を下げて申し訳なさそうなグラムを見ていると、おっさん探検家の力が魔物の接近に気づいた。
バッと俺が魔物の敬拝がする方を見ていると、ノエルが腰に下げている剣の柄に手を置いた。
「おっさん、魔物か?」
「ああ。こっちに向かってきてるな」
俺がそう言うと、グラムが後ろにいる憲兵たちに指示を正して隊列を組ませた。
俺はおっさん探検家のスキルを使いながら、じっとこっちに向かってくる魔物の気配をよく見る。
「素早い魔物の後ろに大きめの魔物がいますね。イワネズミとそれを捕食する魔物かな?」
俺はノエルとグラムに聞こえるようにそう言ってから、腰から下げた剣の柄に手を置いた。
十人のほど憲兵歩くグラムの隣に俺とノエルが、一歩後ろにエイラや前に俺が助けた憲兵たちがいた。
イワネズミの巣の場所は分からないので、グラムに案内してもらいつつ、俺はおっさん探検家の力を使って、極力魔物と遭遇しない道を提案しながら進んでいた。
そんなスキル『おっさん』の力のおかげもあって、魔物との接触回数を最小限に抑えることができていた。
「博さん……あなた、本当にG級冒険者なんですか?」
何事も問題なくイワネズミの巣に向かっていると、グラムが眉をひそめてそんなことを聞いてきた?
「そうですけど、なんでです?」
「ここまで魔物と遭遇しない道が分かる人に出会ったことがなかったので、少し驚いていまして。もしかして、有名な採取家とかだったんですか?」
「いやいや、有名な採取家ってそんなんじゃないですよ」
グラムがふざけて言っているのかと思い、笑いながら手を横に振って否定すると、グラムは真剣な表情のまま俺を見つめていた。
どうやら、本気で俺をその道のプロかなにかと勘違いしているみたいだ。
ふむ。あまり期待をさせ過ぎるのも悪いか。
俺はそんなふうに考えて、何でもないふうに口を開く。
「そんな大したことしてなかったですって。以前は全く関係ない仕事をしてましたよ」
「全く関係のない仕事を? こ、これだけの力がありながらですか?」
「ええ。冒険者をやるまでは気づかなかったって感じですね」
俺がそう答えると、グラムはしばらくの間ぽかんとしてしまった。それから、難しそうな顔で何かを考えてから目をぱちぱちとさせる。
「博さんの才能を見抜けない職場って……周りの人間に問題があるのでは?」
「いやいや、とんでもない! ことも、なかったのかな?」
別に、転移前の俺に才能があったとかではないのだが、周りの人間に問題がなかったかと言われると何とも言えない気がする。
法定労働時間を大幅にオーバーしているのに、オーバー分を申告させなかったり、気に入らないことがあれば恫喝したりしてくるような上司がいる会社がまともだったかと言われれば、そうではない気がする。
こうして、会社から離れてみることで、今まで送ってきた生活が異常だったことを実感する。
「すみません。あんまり思い出したくないことなので、昔の話はこの辺で」
「も、申し訳ありません。あまり聞かれたくないこともありますよね」
「まぁ、そうしてもらえるとーー」
眉を下げて申し訳なさそうなグラムを見ていると、おっさん探検家の力が魔物の接近に気づいた。
バッと俺が魔物の敬拝がする方を見ていると、ノエルが腰に下げている剣の柄に手を置いた。
「おっさん、魔物か?」
「ああ。こっちに向かってきてるな」
俺がそう言うと、グラムが後ろにいる憲兵たちに指示を正して隊列を組ませた。
俺はおっさん探検家のスキルを使いながら、じっとこっちに向かってくる魔物の気配をよく見る。
「素早い魔物の後ろに大きめの魔物がいますね。イワネズミとそれを捕食する魔物かな?」
俺はノエルとグラムに聞こえるようにそう言ってから、腰から下げた剣の柄に手を置いた。



