「はい、皆さん、来週の日曜日、新入生の歓迎会として、内長山に遠足を、行います。」



朝のオリエンテーションで、明子先生が、クラスに伝えた。



「歓迎会か、面倒くさいな、せっかくの日曜日が、台無しだ。」ポロっと、本音が出た大輝。



あすか「お弁当、作ってこようかな?2人分。」

大輝「お前らで食え」

「何、その言い草、ケンカ売ってんの?」とあすか。

「子供じゃあるまいし、はしゃぐようなことか?」

「なによ、大輝も子供じゃない」

「お前と一緒にすんな、もう、原付バイクが取れる年齢だ。」

「事故るのは、目に見えてるよ、だって、あんた、運痴じゃない?」



「癒しが欲しい、神さま」大輝は、心の中で祈った。



その頃、オリエンテーションが終わり、一時限の休憩中、はるかは、明子先生に、相談していた。



「どうやったら、いい成績が、取れますか?先生」

「どうしたの?」

「私、芸能活動で、時間に追われて、勉強不足なんです。でも、勉強も頑張って、大学に進学したいです。」

「その、心意気、買ったわ!それじゃ、他の人よりも、3倍勉強の時間を取りなさい」

「えー無理です」と速攻の返事が来た。さすが、はるか。諦めが、早い子である。

「どうして?人と同じことをしても、良い結果は、残せないわよ。頑張って、一番になりなさいね。」

「でもー」としぶるはるか。



「あーそうそう、同じクラスの、大輝くん。あの子、ああ見えて、面倒見いいわよ。そして、人の嫌がることを、率先してやるわよ。例えばトイレ掃除とかね。」



「本当?先生。でもね、この前、ナンパされかけました。」

「それが、面倒見が、いいところよ!」



大輝は、不意にくしゃみをした。「また、だれか、俺のうわさしてる?」



下校時、校門にはるかが、カバンを両手でぶらぶらしながら、立っていた。



幼なじみ三人が、通り過ぎようとした、その時はるかは、3人に、声をかけた。

「ねえ、大輝くん、借りていい?」

ビックリしたのは、大輝だ。この前、振られたのに、なんだろうかと。」



あすかとしのぶは、転校生だからかな?」と了承した。



夕日に映えるはるかのくっきりとした目を見て、恐る恐る「何?」と声をかけた。

「別に用事は、なかったの。でも、お礼が言いたくて。」

と同時に、大輝のほっぺにキスをした。「ありがとう」そういうと、足早に、去った。



次回予告。

ついに、はるか、参戦。これに対して、あすかとしのぶは、どう出るのか?友情か恋愛か、遠足というシチュエーションで、最初の幕開けが、始まろうとしていた。



君は、ネバーランドの夢を見る。