放課後の図書室で、僕らは世界を作った

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総合21位(2025/10/15)

青春・恋愛8位(2025/10/17)

青春4位(2025/10/17)

青春・恋愛

放課後の図書室で、僕らは世界を作った
作品番号
1762706
最終更新
2025/10/08
総文字数
10,548
ページ数
1ページ
ステータス
完結
いいね数
150
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総合21位(2025/10/15)

青春・恋愛8位(2025/10/17)

青春4位(2025/10/17)

友情は、創作という名の神話だった。

 放課後の図書室には、いつも夕陽が差していた。
 埃を舞わせながら机を照らす光の中で、僕と綾は「世界を作っていた」。
 一冊のノートに綴る物語。交互に書き込む言葉の連なりが、僕らの友情そのものだった。
 綾は奔放で、明るく、才能にあふれていた。
 僕はただ、彼女の世界の端で、文字を整えるだけの存在だった。
 ――けれどある日、綾がプロの小説家としてデビューした。
 その新作のタイトルは、あのノートに書かれた物語と同じだった。

 “放課後の図書室で、僕らは世界を作った”

 誰も知らない“共作”の記憶。
 読者が歓声をあげるたびに、僕の中の世界は少しずつ崩壊していった。

 創作という行為は、友情を育てるのか、それとも壊すのか。
 ノートを閉じた手の中には、もう二度と戻らない時間と、言葉と、君がいた。

 書くことに救われ、書くことで失われていく青春を描く――
 友情と創造の喪失譚。

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