その夜ふとんで寝る前、夫に
「ねぇ、さっき老夫婦のおばあちゃんと話したんだけど、私たちと同じ十四歳差だって。お似合いの夫婦だった。私たちも、そんなふうになれるかな……?」
「お前、年の差気にしてたの?」

 どくん、と心臓が跳ねた。夫の目は、私の心を見透かすようにじっと見つめていた。

「ちが……」
「俺は、年の差とか全然気にしないから」

 夫の返答は全く見当違いだったけれど、彼は不器用なだけで、私のことを愛してくれているんだろうなとは思った。

 今は全く夫に対して恋愛感情を抱けないけれど、いつかそれも乗り越えて、家族として彼のことを愛せるようになりたいと思った。