季節は巡り、息子のユウタは三歳になった。私は三十歳になり、夫は四十四歳になった。
歩けるようになってからの息子は、ほんとうに手がかかる子だった。偏食化で食事はほとんど食べてくれないどころか、手で掴んで床や壁に投げつけるので掃除が大変だ。
それに、毎朝お気に入りの電車のアニメを見ないと保育園に行ってくれなくて、癇癪を起こして暴れた。
今日も、
「ぎゃあああああ!!! ぎゃああああああ!!!」
「痛ッ。ユウタ、やめて。もう、でんちゃっちゃ♪の放送は終わっちゃったの」
全身を殴られながら息子に靴下を履かせると、小脇に抱えて家を出る。癇癪を起こしつづける彼を自転車のチャイルドシートに固定して、勢いよくサドルにまたがった。
早くしないと、保育園に遅刻してしまう。いつもこうだ。風に飛ばされて来た小さな葉っぱが目に入って、痣だらけの手で目を掻いた。
歩けるようになってからの息子は、ほんとうに手がかかる子だった。偏食化で食事はほとんど食べてくれないどころか、手で掴んで床や壁に投げつけるので掃除が大変だ。
それに、毎朝お気に入りの電車のアニメを見ないと保育園に行ってくれなくて、癇癪を起こして暴れた。
今日も、
「ぎゃあああああ!!! ぎゃああああああ!!!」
「痛ッ。ユウタ、やめて。もう、でんちゃっちゃ♪の放送は終わっちゃったの」
全身を殴られながら息子に靴下を履かせると、小脇に抱えて家を出る。癇癪を起こしつづける彼を自転車のチャイルドシートに固定して、勢いよくサドルにまたがった。
早くしないと、保育園に遅刻してしまう。いつもこうだ。風に飛ばされて来た小さな葉っぱが目に入って、痣だらけの手で目を掻いた。

