[LINEトーク履歴:健太 ⇔ 友人B]
健太: 「…夜中に急に起き出して、まだ何もないベビーベッドをずっと覗き込んでたりする。…昨日なんて、ベランダで捕まえた鳩を…いや、なんでもない」
田中による解説:
このLINEが送られてきた頃から、健太は会社でも明らかに何かに怯えるようになった。「見られている気がする」と、彼は俺に漏らした。気のせいだと、俺は笑い飛ばしてしまったが。


[動画ファイル:20251224_様子のおかしい唯.mp4]
(深夜、リビングのソファで唯が大きなお腹を撫でながら、何もない空間に話しかけている)
唯(低い、単調な声で): 「もうすぐだからね…。お腹、すいたでしょう…。たくさん、たくさん食べさせてあげるからね…」

田中による解説:
健太が恐怖に震えながら撮影したという映像だ。彼は唯の異常な言動に釘付けになっている。だが、彼が気づいていない恐怖がすぐそこにあった。撮影中、カメラが一度だけリビングの窓の方を向く。その真っ暗な窓ガラスに、一瞬だけ、部屋の中を覗き込む青白い顔のようなものが映りこんでいる。もちろん、部屋には健太と唯の二人しかいない。
こいつはなんだ?



[動画ファイル:20260115_退院の日.mp4]
(玄関で、健太が唯と赤ちゃんを迎える。唯は「…触らないで。この子は、まだお腹がすいてるの」と呟く)
田中による解説:
これが、家族三人が揃った最後の映像だ。この時、唯が玄関に入った瞬間の影を見てほしい。一つの身体から、まるで子供を背負ったような、二人分の歪な影が伸びている。
このときの唯の服装から考えて、こんな影はできようがない。
明らかにおかしい。