若葉台で「引きこもり家族」増加か　専門家が警鐘

　若葉台の新興住宅地「サンシャインヒルズ若葉台」の住民から、「最近、近所の家族を見かけない」との声が相次いで寄せられている。

　同住宅地の住民組織の代表を務める田中氏（65）は「入居当初は挨拶を交わしていた若い家族が、最近はほとんど姿を見せない。洗濯物は干してあるので住んでいるのは確かだが、外出する様子がない」と心配そうに語る。

　市の福祉課によると、今年に入ってから「家族が外出しなくなった」「近所付き合いが突然途絶えた」といった相談が急増しているという。

　社会福祉士の高野氏は「住宅ローン問題による経済的困窮が、社会的孤立を引き起こすケースが増えている」と分析する。「外出にかかる費用を節約するため家に籠もるようになり、やがて社会との接点を完全に断ってしまう家族が少なくない」

　特に子育て世代では、子供の学費や生活費の捻出に追われ、レジャーや交際費を極端に削減する傾向が強いという。「一時的な節約のつもりが、次第に外出すること自体に不安を感じるようになり、最終的に引きこもり状態に陥ってしまう」と高野氏は説明する。

　市では孤立する家庭への支援体制強化を検討しているが、「当事者が相談に来ないケースが多く、支援の手を差し伸べることが困難」という課題もある。

　専門家は「経済的な問題を一人で抱え込まず、早期に相談することの重要性」を呼びかけている。