「基礎演習ゼミ」は、全学部・学科・コースにおける一年生の必修科目である。また、大学側が履修する曜日・時間を指定する科目であり、学生が自由選択することのできない講義となっている。
「基礎演習ゼミ(04)」の履修生は二十四名で、主に大学におけるレポートの書き方や、文献の探し方、個人・グループによる発表演習、ディスカッション演習、助手室や図書館の使用方法など、本大学における学生としての基礎を学ぶ授業である。
●「クシコス・ポスト」を流したタイミング
講義から約八十分経過し、講義終了となる九十分を迎える直前に「クシコス・ポスト」をスマートフォンで再生した。理由は当日の講義内容が終わり、最も講義に支障がないタイミングだと考えたからである。
●「クシコス・ポスト」を再生した直後の印象
イントロが流れ始めてすぐに笑う人や、音源を探す様子も見られた。自分が「クシコス・ポスト」を再生したことを名乗り出ると、「なぜ音楽を流したのか」といった理由よりも、「なぜ流した音楽が『クシコス・ポスト』なのか」と問われた。
では受講者二十四名から回収した「授業評価・感想票(クシコス・ポストver.)」から、内容と感想の一部を紹介する。以降、ここで紹介する感想は、記入した学生から掲載許可を得たものに限っている。
1)これまでと比べて、授業評価に変化はありましたか?
1,よくなった(満足度を上げた)・・・二十名
2,変わらない・・・三名
3,悪くなった(満足度を下げた)・・・一名
2)「クシコス・ポスト」が講義内で流れて、どう思いましたか?
・講義が終わるときに流れて、一気に気が抜けた。今日の最後の授業だったから、少し楽しい気分で帰れると思った。
・先生が時々■■(壱河の本名)を見ていたから、気になっていた。「クシコス・ポスト」を講義中に流すとは思わなかった。面白い試みだと思う。
・一瞬にして小学校の運動会を思い出した。
・「クシコス・ポスト」を流すと授業評価は変わるのか? というテーマのレポート。面白かったので評価上げときました。
・講義の最初にやられてたら、たぶん終わったころには忘れていたと思う。意外性があって、結果が気になりました。
・急に変な音流さないで下さい。
・突然「クシコス・ポスト」が流れたので驚きました。ですが、授業評価がよくなるかどうかとはまた別問題だと思ったので、「変わらない」を選びました。
●結果
講義が終わりに差し掛かっていたこともあり、おおむね面白かった、楽しかったといった、前向きな感想が多く確認できた。
正規の「授業評価・感想票」においても、「よくなった(満足度を上げた)」が二十四名中二十名であり、「クシコス・ポスト」が一定の評価向上に影響を与えていることがわかる。講義のどのタイミングで「クシコス・ポスト」を再生するかも、学生たちの心証に大きな影響を与える可能性が考えられる。
しかし、「変わらない」が三名、「悪くなった(満足度を下げた)」が一名いたことから、「クシコス・ポスト」が講義の満足度に直接の影響を与えないこともわかった。
おそらく「クシコス・ポスト」以外の曲が流れたとしても、この四名の満足度に変化はなかったことが予想される。



