「あ、今どこ〜?あ、まじで?えちょっと車出してくんねぇ?」
声と振動で目が覚める。私は佑月くんの肩にもたれかかっていた。
ヒィ……!って体を起こしかけるけど、頭がズキンとして、「ウッ」って声が漏れて、私はまた佑月くんに寄りかかる。
佑月くんが、スマホを耳から外す。
「いいよ、全然寄っかかってて」またスマホを耳に当てる。
「マナベが車持ってっちゃってさぁ〜電話も繋がんないんだよ。」
佑月くんが、誰かに電話してる。佑月くんは誰に電話してるんだろう。あと、マナベって誰だ。佑月くんの声が、振動になって、耳から伝わる。それがすごく心地よい。今は、人の温もりが、心に染みる。
