「凛ちゃんには耐えられないんと違う?」 「え?」 亮が鍋をかき混ぜながら言う。 「真面目で、嘘つけなくて、間違ったことができない、凛ちゃんには、きっといつか限界がくる。なんも知らん方が、幸せなんちゃう。」 「でも。」 「佑月がいなくなった寂しさだってどうせいつか忘れる。凛ちゃんだって他に好きな人が出来て、幸せになる。」 亮の鋭い眼差しが、俺に向けられているのを感じた。 他に、好きな人……。俺以外の、誰か? 亮が、はぁ。ってため息をついた。