【公開処刑】
カイゼンミーティングとは実質、公開処刑のようなもので、営業の現場に対する不満を工事課にぶつけるだけの、ぶつけられる側からしてみると、単なる苦痛の時間でしかない。決定事項を自分達で考えて出せと言って、出なければただただ時間が消費されていき、その間仕事が進まないため、業務時間が果てしなく失われていく。業務時間が奪われることで、仕事の精度が落ち、ミスや抜けが出る確率が上がる。そのリカバリーをするマイナスの業務が更に時間を圧迫し、デフレスパイラルに陥る。
服部は現場の精度が低くて現場がグダグダになるのは、何も工事課だけの責任とは思っていなかった。反町も内心はそうだった。
引き継ぎの時点で、仕様書はおろか、工事内容すら曖昧なことが多い。引き継いでしまえば、あとは突っ込みどころを探して、工事課のせいにしてしまえばいいのだ。
プランの詳細なディティールについて、お客様が認識していなくても、営業とインテリアコーディネーターは
「ちゃんとイメージパースも出して説明したから分かってるはずだよ!」
と理解していないお客さんのせいにして、自分たちに落ち度がないことを主張するのが常だが、
工事課の監督が、お客さんに説明したことが上手く伝わってない時には、
「伝えたつもりになってても、お客さんが理解してなければ伝え方が悪いんだよ!」
という全く逆の理屈で言い込める。
結局、異を唱えると、口の達者な営業マンの逆襲に遭い、更にダメージを受けるのは自明の理。じっと我慢してやり過ごすか、或いは「いいね!」と誰もが言う対策を発案するしか、逃げ道はない。
服部からしてみたら、いいね!という対策を発案したところで、反町が実行しなければ、絵に描いた餅。
実際にやれるんだろうね!?
やれなければ何の意味もないんだよ!
どうなの、今まで出来なかったことをホントにやれるの?
やれるとは到底思えないんだけど!?
そんな風に問い詰められる映像が脳裏に浮かぶ。
反町は相変わらず石像の様に黙りを決め込んでいる。
時間は刻々と過ぎていく。
喫煙所から戻ってきた剛田は
「カイゼン案はまとまった?」
といつも通り他人事の様子。
暫しの沈黙の後、
服部は手帳から「退職願」と書かれた白い封筒をゆっくりと取り出し、店長に手渡して言った。
「後はやれる人達でやってください」
カイゼンミーティングとは実質、公開処刑のようなもので、営業の現場に対する不満を工事課にぶつけるだけの、ぶつけられる側からしてみると、単なる苦痛の時間でしかない。決定事項を自分達で考えて出せと言って、出なければただただ時間が消費されていき、その間仕事が進まないため、業務時間が果てしなく失われていく。業務時間が奪われることで、仕事の精度が落ち、ミスや抜けが出る確率が上がる。そのリカバリーをするマイナスの業務が更に時間を圧迫し、デフレスパイラルに陥る。
服部は現場の精度が低くて現場がグダグダになるのは、何も工事課だけの責任とは思っていなかった。反町も内心はそうだった。
引き継ぎの時点で、仕様書はおろか、工事内容すら曖昧なことが多い。引き継いでしまえば、あとは突っ込みどころを探して、工事課のせいにしてしまえばいいのだ。
プランの詳細なディティールについて、お客様が認識していなくても、営業とインテリアコーディネーターは
「ちゃんとイメージパースも出して説明したから分かってるはずだよ!」
と理解していないお客さんのせいにして、自分たちに落ち度がないことを主張するのが常だが、
工事課の監督が、お客さんに説明したことが上手く伝わってない時には、
「伝えたつもりになってても、お客さんが理解してなければ伝え方が悪いんだよ!」
という全く逆の理屈で言い込める。
結局、異を唱えると、口の達者な営業マンの逆襲に遭い、更にダメージを受けるのは自明の理。じっと我慢してやり過ごすか、或いは「いいね!」と誰もが言う対策を発案するしか、逃げ道はない。
服部からしてみたら、いいね!という対策を発案したところで、反町が実行しなければ、絵に描いた餅。
実際にやれるんだろうね!?
やれなければ何の意味もないんだよ!
どうなの、今まで出来なかったことをホントにやれるの?
やれるとは到底思えないんだけど!?
そんな風に問い詰められる映像が脳裏に浮かぶ。
反町は相変わらず石像の様に黙りを決め込んでいる。
時間は刻々と過ぎていく。
喫煙所から戻ってきた剛田は
「カイゼン案はまとまった?」
といつも通り他人事の様子。
暫しの沈黙の後、
服部は手帳から「退職願」と書かれた白い封筒をゆっくりと取り出し、店長に手渡して言った。
「後はやれる人達でやってください」



