フリーライターを生業としている者です。
この度、東京都内にある某女子高校の職員会議の内容を録音した音声データを入手いたしました。
この会議において女性教師からある相談がなされました。
非常に興味深い内容でしたのでここに掲載させていただきます。
ただしその内容は一般に公開されるべき物ではありません。世間に知れることになれば学校として重大な情報漏洩事案となることは間違いありません。
従ってデータの入手経路については明かすことができません。
また人名はすべて仮名に置き換えてあります。ご了承ください。
まずは会議の冒頭部分につき録音された内容をそのまま記載させていてだきます。
「2年A組担任の川口です。本日は、私のクラスのある生徒について、みなさんに相談させていただきたいのですが……」
「その生徒に問題がある、とういことですか?」
「いえ、特に問題があるというわけではないのですが……」
「非行とか、そういうことではないのですね」
「はい」
「では、どのような?」
「……気になることがあって……」
「具体的にはどういうことですか? 学業面のことですか?」
「いえ、そうではありません。むしろ、学業の成績は極めて優秀です」
「では、生活面、あるいは行動面ということですか? 精神的に不安定なところがあるとか?」
「いえ……生活面、というか……家庭環境という点では問題がないわけではありませんが……学内では精神的にも安定しているように見えますし、特に問題となるような行動もありません」
「ではいったい……何という生徒のことですか?」
「……三郷、ミユ……です」
「ああ……あの生徒ですか……気の毒に、ご家族に不幸が重なった子ですね……」
「はい」
「あの子なら、確かに精神的に不安定になってもやむを得ないかもしれませんね……」
「それが、申し上げましたように、外見上は、特に問題があるようには……」
「では、川口先生は、いったい何を相談されたいのですか?」
「……あの子にどう接すればいいのか、わからないんです……どうしても、違和感があって……それで、先生方に相談しようと……」
「どう接すればいいかわからない? どういうことですか?」
「……実は私、一月程前に、三郷ミユの姉のミカから、話を聞いたんです」
「姉のミカさん……確か、亡くなったのでは……」
「はい、先月亡くなりました。その、亡くなる直前に、放課後、職員室にいた私のところへ来てどうしても聞いて欲しい話があると……」
「どんな話を?」
「……これから、その話をさせていただこうと思います……先生方にも、是非聞いていただきたくて……」
「……よろしい。うかがいましょう」
「とても……信じられないような話なのですが……」
教師・川口の発言に受け答えをしているのは男性で、おそらく校長、または教頭と思われます。
ここから川口によって女子生徒が話した内容が語られるのですが、話の中にはその生徒の家族、親族が登場します。
人数が多くなりますのでここでその登場人物を整理しておきます。
繰り返しになりますが、氏名はすべて仮名に置き変えてあります。
また各個人の現在の状況はここに記載したものとは大きく変わっていることを申し添えておきます。
三郷ミユ:
川口が担任する女子生徒。東京都内の住宅街にある一軒家に在住。
三郷ミカ:
ミユの姉。ミユとは双子の姉妹。ミユと同じく川口が担任するクラスに在籍。
三郷コウキ:
ミカ、ミユ姉妹の父。大手企業の会社員。大阪支社勤務のため単身赴任中。
三郷マイ:
ミカ、ミユ姉妹の母。東京都内の会社に派遣社員として勤務。
実家は東北地方の山間部の小さな集落にある狭山家。
狭山ウタ:
マイの姉。マイとは双子の姉妹。マイの実家に在住。
狭山ナオ:
マイ、ウタ姉妹の母。ミカ、ミユ姉妹の祖母。マイの実家に在住。
熊谷カズ:
ナオの姉。カズとは双子の姉妹。マイの実家の近隣に在住。
熊谷ヨシノブ:
カズの夫。
狭山セツ:
ナオ、カズ姉妹の母。ミカ、ミユ姉妹の曾祖母。マイの実家に在住。
以上です。
補足しておきますと、ナオとセツの夫はこの話の時点ではすでに他界していました。
またセツの兄弟姉妹もすでに他界していました。
ウタは未婚です。カズ、ヨシノブ夫妻には子供はいませんでした。
お気付きだと思いますが、ミカの家系には三代続けて双子の姉妹が生まれています。この双子たちに起こった出来事がこれから語られます。
ここからはしばらくの間、教師・川口が語った内容をそのまま記載します。
なお、川口は登場人物それぞれを丁寧に「さん付け」していましたが、ここではその敬称は省略させていただきます。
この度、東京都内にある某女子高校の職員会議の内容を録音した音声データを入手いたしました。
この会議において女性教師からある相談がなされました。
非常に興味深い内容でしたのでここに掲載させていただきます。
ただしその内容は一般に公開されるべき物ではありません。世間に知れることになれば学校として重大な情報漏洩事案となることは間違いありません。
従ってデータの入手経路については明かすことができません。
また人名はすべて仮名に置き換えてあります。ご了承ください。
まずは会議の冒頭部分につき録音された内容をそのまま記載させていてだきます。
「2年A組担任の川口です。本日は、私のクラスのある生徒について、みなさんに相談させていただきたいのですが……」
「その生徒に問題がある、とういことですか?」
「いえ、特に問題があるというわけではないのですが……」
「非行とか、そういうことではないのですね」
「はい」
「では、どのような?」
「……気になることがあって……」
「具体的にはどういうことですか? 学業面のことですか?」
「いえ、そうではありません。むしろ、学業の成績は極めて優秀です」
「では、生活面、あるいは行動面ということですか? 精神的に不安定なところがあるとか?」
「いえ……生活面、というか……家庭環境という点では問題がないわけではありませんが……学内では精神的にも安定しているように見えますし、特に問題となるような行動もありません」
「ではいったい……何という生徒のことですか?」
「……三郷、ミユ……です」
「ああ……あの生徒ですか……気の毒に、ご家族に不幸が重なった子ですね……」
「はい」
「あの子なら、確かに精神的に不安定になってもやむを得ないかもしれませんね……」
「それが、申し上げましたように、外見上は、特に問題があるようには……」
「では、川口先生は、いったい何を相談されたいのですか?」
「……あの子にどう接すればいいのか、わからないんです……どうしても、違和感があって……それで、先生方に相談しようと……」
「どう接すればいいかわからない? どういうことですか?」
「……実は私、一月程前に、三郷ミユの姉のミカから、話を聞いたんです」
「姉のミカさん……確か、亡くなったのでは……」
「はい、先月亡くなりました。その、亡くなる直前に、放課後、職員室にいた私のところへ来てどうしても聞いて欲しい話があると……」
「どんな話を?」
「……これから、その話をさせていただこうと思います……先生方にも、是非聞いていただきたくて……」
「……よろしい。うかがいましょう」
「とても……信じられないような話なのですが……」
教師・川口の発言に受け答えをしているのは男性で、おそらく校長、または教頭と思われます。
ここから川口によって女子生徒が話した内容が語られるのですが、話の中にはその生徒の家族、親族が登場します。
人数が多くなりますのでここでその登場人物を整理しておきます。
繰り返しになりますが、氏名はすべて仮名に置き変えてあります。
また各個人の現在の状況はここに記載したものとは大きく変わっていることを申し添えておきます。
三郷ミユ:
川口が担任する女子生徒。東京都内の住宅街にある一軒家に在住。
三郷ミカ:
ミユの姉。ミユとは双子の姉妹。ミユと同じく川口が担任するクラスに在籍。
三郷コウキ:
ミカ、ミユ姉妹の父。大手企業の会社員。大阪支社勤務のため単身赴任中。
三郷マイ:
ミカ、ミユ姉妹の母。東京都内の会社に派遣社員として勤務。
実家は東北地方の山間部の小さな集落にある狭山家。
狭山ウタ:
マイの姉。マイとは双子の姉妹。マイの実家に在住。
狭山ナオ:
マイ、ウタ姉妹の母。ミカ、ミユ姉妹の祖母。マイの実家に在住。
熊谷カズ:
ナオの姉。カズとは双子の姉妹。マイの実家の近隣に在住。
熊谷ヨシノブ:
カズの夫。
狭山セツ:
ナオ、カズ姉妹の母。ミカ、ミユ姉妹の曾祖母。マイの実家に在住。
以上です。
補足しておきますと、ナオとセツの夫はこの話の時点ではすでに他界していました。
またセツの兄弟姉妹もすでに他界していました。
ウタは未婚です。カズ、ヨシノブ夫妻には子供はいませんでした。
お気付きだと思いますが、ミカの家系には三代続けて双子の姉妹が生まれています。この双子たちに起こった出来事がこれから語られます。
ここからはしばらくの間、教師・川口が語った内容をそのまま記載します。
なお、川口は登場人物それぞれを丁寧に「さん付け」していましたが、ここではその敬称は省略させていただきます。
