「僕」と「俺」

 そこは普通のビルだった。エレベーターを上りドアが開くと、人がいた。

 「お待ちしておりました」

 案内された部屋は何も置かれていない真っ白な部屋だった。
ただ椅子が3つ並んでいる。
しばらく静寂が流れた。
 ふいにドアが開き誰かが入ってきた。

 「こんにちは。遼太君でいいんだよね」

 僕はすぐにはそれが僕だと認識できなかった。
 
「はい」

 僕はささやくように言った。

 「今日はよろしくね」

 「よろしくお願いします」

 両親は言った。

 それから僕はこの高校についての説明を受けた。

 登校する日は自由に決められること。
その登校しなければならない日数は授業ごとに決まっていること。
月に二枚程度レポートを書いてこなければならないこと。
そのレポートは僕なら十分程度で終わらせられる簡単なものだということ。
これをクリアするだけで単位が取れるということ。
どれだけ単位を取るかは自分で決められて三年間合計で決められた単位数を取れば卒業できるということ。

 両親は僕に良いと思ったらしく、ここに行くのはどうか、と聞かれた。
でも高校にもいけなくなった僕にいやだという資格はないと感じて、僕は首を縦に振った。