「私でいいなら」

 すぐさま、僕は頷いた。
 内心ガッツポーズしながら
「ありがと」
 とっさにそう伝えることはできたが、本当はこう言えたらベストだったのに、と彼女と別れてあとで振り返った。

「あす未がいいんだ」

 その言葉を唇でなぞっただけで、僕の顔が、にわかに熱くなった。