奇跡はきっと。

自分で言うのもなんだが、俺は恵まれていると思う。
ルックスもいいし友達も多い。勉強もそこそこで運動もできる。異性にモテた記憶も一度や二度ではない。
そんな俺の最近の悩みは
「今日も休みは1名だな。級長!プリントもっててってやれよー」
そう。急に学校に来なくなったクラスメイト。
みんなに勧められて級長になったはいいものの任されるのは雑用ばかり。何かを期待してなった訳では無いがそれにしても名ばかりである。
「はーい。わかりましたー」
「おいおいやる気なすぎだろー笑」
こんな日常。楽しくて思春のど真ん中を生きている俺は出来ればこんな役目はごめんなのだが届けるだけなので良しとする。

放課後
「遊びに行かねぇー?」
「いや俺プリント届けに行かないといけないから。」
「そうだった。ご苦労さまでーす。」
「ご苦労だと思うならお前が行ってくれてもいいんだからな?」
「それは勘弁願いたいですねー」
「はいはい。わかってます行きますよー。」

ピーンポーン
「プリントを届けに来ました」
「はーい!あらいつもありがとうねぇ。あの子部屋から出たがらなくてねぇ。」
「いえ全然。クラスメイトとして当然のことをしたまでですので」
「礼儀がなってて素晴らしいねぇ。きっと親御さんがしっかりしてるんでしょうね」
「、、いえいえ。それでは失礼します。」
「いつもごめんなさいね。気をつけてねー!」

さて。最初に言ったように俺は恵まれている。ルックスもいいし文武両道だと思っている。
そんな俺にも誰にも言えない秘密がある。それは俺の家はとても貧乏であることだ。