「…1、2年の時仲良くしてたから。」

「そ、そうだけど」
 
急にどうしたんだろう。
 
恵は、楽器(トロンボーン)を楽器などが置いてあ
る棚から取り出した。

「まぁ…何かあったら教えて」

「…うん」
 
本当になんだったんだろう。

「おはよー」

「おはよう」
 
霞と華鈴が朝から話している。
 
永茉は自分の席に座る。
 
今日もぼっちかな。

 
休み時間永茉はぼーっと窓側の自分の席に座ったままだった。

「なぁ、、永茉」

「わぁっ!な、なに…?」
 
急に恵が話しかけてきてびっくりして思わず声を出してしまった。
 
ちなみに、この学校は隣のクラスにも行き来できる。

「ごめん。驚かせるつもりはなかった。」

「う、うん…えっと…どうしたの?」

「んー。放課後でいいや……いや、でも今日部活無かったっけ…んー…」
 
恵は、独り言のように考えながら言っていた。

「どうしたの?今日予定ないから、いつでも…」

「ほんと?なら、放課後残っといて。じゃ…」

「う、うん。」
 
残っといてって言われても、どこに居ればいいのか。
 
とりあえず、教室に居るか。


放課後になった。
 
みんな帰っていったな。
 
私は窓の外を見ながら恵を待っていた。

「…永茉。」

「ん?」
 
恵が教室に入ってきた。
 
よかった、ここにいて正解だ。
 
少しの間沈黙が流れる。

「えっと…。どうしたの?」

「あ、えっと…。永茉は…」
 
恵は言葉を選ぶように少し間を開けて言った。

「永茉は…このままでいいの?」

「え?」
 
このままって…?

「…華鈴との関係……。」

「えっと…」
 
そして、また沈黙が流れる。
 
なんで恵が私達のこと…

「…何か悩んでるでしょ?なんでも聞くけど…」
 
心配してるの?

「…言ってもどうにならない…。」

「言うだけ言ってみたら?」
 
どうしよう。話したら何か変わるかな…。

永茉は覚悟を決めて口を開いた。

「えっとね…」

「うん。」
 
永茉は話した。
 
華鈴との関係がどういうものだったか。
 
それからどうなったか。
 
そして、今悩んでいること。

「永茉ね、華鈴と仲良くしたい!でも、話に行けなくて…。それで…それで…!」
 
気がつけば永茉は涙が溢れ出していた。
 
恵は静かに聞いてくれた。

「うん。ちゃんと言えて偉いね。」
 
恵は永茉の頭をぽんぽんしながら、少しからかうように言った。

でも、優しさも感じられた。