そして、受験当日……


「頑張ろうね！永茉！」

「うん。でも…いけるかな。」
　
やっぱり、永茉は心配だった。
　
受験を受けることが怖い。

「きっと、大丈夫だよ。頑張って勉強したじゃ ん！」

「うん。頑張ってみる！」
　
受験落ちたら、華鈴と離れちゃうかも。

「魔法の言葉！『やるからには最後までやり切る！』だよ！よし、行こうか。」

「うん！」
　
華鈴はよく、魔法の言葉を言っていた。

『魔法の言葉』は、永茉と華鈴、2人だけの呼び方だ。
　
励ましの言葉、名言、みたいな言葉だ。

『勉強すると決めたなら、頑張ろう！』とか、

『遊ぶ時は、思いっきり遊ぼう！』とか。
　
普通の事かもしれないけど、その言葉が好きだった。
　
小学校卒業の時には、『またいつか会えるから、またね！』って、みんなに言うらしい。
　

永茉も、そんな事言ってみたいと思っていた。


「ふぅー。」
　
深呼吸して、受験が始まる。
　
（うわっ。これ、苦手なやつ…）

初めから永茉の苦手な所が出てきた。
　

（えー。これ難しい。永茉、大丈夫かな。）
　
華鈴でも、難しい所が出てきた。

　
でも……
　

〖でも、やるからには！〗（永茉・華鈴）
　

最後まで頑張る……

「ふぁー、つかれたー」

「ねー。難しかったんだけどー！」

「たぶん、落ちる…」

「まだ、分かんないからね？」
　
この時2人とも受験に落ちる気がしていた。


「お！永茉、華鈴、どうだった？」
　
受験の帰り、永茉と華鈴は近所の公園に
　
寄っていくことにして、公園に着くと霞が犬の散歩で来ていた。

ちなみに霞の犬の種類はチワワで性別は女の子、
名前はムギだ。

「……」

「難しかった。でも、まだ結果は分からないし…ね？」