「久しぶり!」

「やっほー!」
 
今日から、中学3年生。受験生だ。
 
勉強しなきゃいけないのか。でも……

石橋永茉(いしばし えま)は、勉強よりも、
 
友達の山崎華鈴(やまさき かりん)の事が気になって仕方がなかった。

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

「華鈴は、どこの中学校行くの?」

「私立、賢いとこだよ。だから、受験受けるの。」

「なんで、受験受けてまで私立行くの?」

「行きたいから!」
 
小学5年生の、最後の頃、中学校の話をしていた。
 
華鈴は、すごく賢い。
 
永茉は、賢くもない、普通だ。

「永茉は?どこの中学校行くの?」

「えっと、まだ分かんない。」

「受験するなら、早めに考えた方がいいよ。」

「うん。」
 
華鈴は、きっと受験に受かる。
 
テストでよく100点取ってるから。


「ねぇねぇ。なーに話してるのー?」
 
花松霞が、話に入ってきた。

「中学校の話。霞はどこの中学校行く予定?」
 
華鈴が言った。

「わかんなーい。まぁ、受験受けてまでいいとこ行かないかなー。華鈴みたいに賢くないし。」

「えへへ。私は賢いとこ行くよ!受験受ける!」

「すごい!頑張れ!」
 
華鈴と霞で、話していた。なんだか盛り上がって
いた。


その間永茉は、受験を受けるか受けないか考えていた。
 
(賢くはないけど……)

「永茉、華鈴と同じとこ行きたい!」

「えっ」「…あはは、いいよ!勉強しなきゃね!」
 
一瞬、霞の「えっ」が気になったけど、華鈴は笑顔で言ってくれた。

「うん!頑張るの!」
 
受からないかも。そんな気がする。
 
でも、華鈴と一緒がいいから。頑張るって決めた。

「ふふっ。頑張れ!応援してるよ!2人も!」
 
霞は、永茉と華鈴にそう言った。

「さっそく今日、私の家で勉強しよう?」
 
華鈴が言った。

「早くない?」

「早くない!今からした方がいいと思う!」

「そうかも。でも…うん。しよう!」

「うん!」

 
華鈴の家で勉強していた。

「うわぁーん。難しいー!」

「簡単な方だけどなー。」

「そんな事ない!むり!あーー!」

「もう…大丈夫かな…。」
 
最初は、全然できなかった。進まなかった。
 
でも、少しづつ出来るようになっていく。
 
気がつけば…小学6年生。
 

時間は、止まってはくれない。