「あ、もうすぐ行かなきゃだ!行くぞ!叶菜、海夢。」

「うん!」「おう!」
 
魅零と叶菜、海夢は小走りで司会が話す所へ行った。

「皆さん、お忙しい中集まって下さりありがとうごさいます!」
 
魅零が前に立ち、マイクを持って話し出した。

「今回、司会をさせていただく、天喰魅零です!
よろしくお願います!」
 
魅零が司会をするらしい。
 
みんなが拍手をする。

 
そうだ、僕は今日しなければならない事がある。
 
だいたいする時間は決まっている。
 
後は言葉を考えないとな。
 
付き合ったり、想いを伝えた事も一切ない。
 
だから、まずは想いを伝えるだけでもいいと思っている。


「もうすぐ、ディナーの準備が出来ますので、席に座っていてください。席は決まっていないのでご自由にお座り下さい。」
 
魅零が言った。
 
みんなが動き出す。
 
僕は…

「ねぇ、もし良かったら、一緒にどう?華鈴たちも居るけど…。」

「いいの?なら…」

「よかった。こっちこっち!」
 
僕はあまり、友達がいなかった。
 
いや、友達と思わなかっただけかもしれない。
 
女性の中に男性ひとりは変だと思われそう。
 
でも、誘ってくれたから…永茉に。
 
5人くらい座れるテーブルが何個かあり、仲良い友達で、集まれるようにしているらしい。
 
司会が立つ所のすぐ前のテーブルには海夢と叶菜がいた。あと魅零もここらしい。
 
そのすぐ近くのテーブルに華鈴と霞がいた。

「ここ、恵座って!ここ永茉ね!」
 
華鈴が何かたくらむように言う。

「なんで、自分で決めさせないの?」

「別にいいじゃーん!」
 
霞もなんだか楽しそうだ。

「ここでいい?恵。」

「うん。どこでもいいよ。」

「ならいいけど…。」
 
何か不満でもあるのだろうか。

「永茉、照れてる?」

「え…わ、わたし、て、照れて…ないし!」

「照れてんじゃん」
 
永茉は明らかに焦っている。