明日は金曜日。夏祭りの日だ。
 
あの日、学校から帰って恵に連絡した。

 
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『今日はありがとう』
 
『僕、何もしてないよ』
 
文字を打って送信するとすぐに返事が来た。
 
『霞に話してくれて良かった』
 
話してくれないと上手くいかなかったかもしれない。
 
『そっか』
 
『うん、じゃあね』
 
『じゃ、また』
 
恵からの返事は短い。でも、なんとなく落ち着く。
 
夏祭りどうなるのかな。
 
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もう明日か。
 
学校の授業中にそんな事を考えていた。
 
不安で押し潰されそう…。
 
でも、少しの期待を抱いていた。

 
昼休みになった。
 
ぼーっとして外を眺めるだけ。
 
それだけで永茉の心は落ち着いた。
 
ちょと、うとうとしてきた。

「永茉…?」

「わぁっ!め、恵…。ど、どうしたの?」
 
永茉は、びっくりして大きな声を出してしまった。

「いつも驚きすぎ。明日、大丈夫なの?」

「わからない」
 
いつも驚いてしまうのが少し恥ずかしい。
 
それよりも明日のことだ。

「浴衣着ていくんだって?」

「うん。そう言ってた」
 
あの日の翌日に3人で話して決めた。

「似合いそう…ちょと見てみたいかも…」
 
恵は小さい声で呟いた。
 
恵のそういうとこなんだかずるい。

「…恵はこっそり着いて来るよね?」

「うん」

「なら見れるよ。浴衣。」
 
恵は嬉しそうに微笑んでいた。