「華鈴ちゃーん!遊ぼー!」

「えっ。」

「えっ?あ、永茉だよ!」

「知ってる。」

「えっ…と。あ、遊ぼ!」

「いやだ。」

「えっ……?」

 
まだ、石橋永茉と山崎華鈴が幼い頃。
 
保育園の年長さんの時に華鈴が永茉の行ってる保育園に来た。
 
家族の関係とかで少し遠くから、引っ越してきた。

華鈴は、暗くて、ほぼ笑わなかった。
 
でも、思った事はすぐに言える子だ。
 
周りの子達は初めの頃は近ずいてたけど途中からは、誰も近づかなくなった。
 
でも、永茉はそんな事も気にせず明るく、笑顔で華鈴に話しかけに行っていた。

永茉は、みんなの事を笑顔にする事が出来る。
 
優しくて、明るいそして、いつも笑顔だ。
 
でも、思ったことをすぐに言うのは少し苦手。


「なんで、嫌なの……?」

「だって、すべり台とか、ジャングルジムとか、
 
砂遊びくらいでしょ。遊びなんて…」

「えっと…ほ、他にもね、あ…あるよ?」
 
幼い頃、華鈴はあまり外で遊ぶのが好きじゃなかった。絵を描くのが好きだった。

「なにがある?」

「教えてあげる!えっとね!」

「うん。」
 
永茉は、遊ぶことも、遊びを考える事も好きだった。

「見てて!こういう葉っぱ!大きいでしょ!
 
これを、こう持って!」
 
大きな葉っぱを、両手に持ち、永茉は葉っぱをぱたぱたさせながら走り出した。

「みて!飛べそう!!ね!」

「えっ…」
 
永茉は、笑顔で走っていた。

「ほ、他の遊びないの?それは、ちょと…」

「ほか?えっと、葉っぱとか拾ってぱー!って!綺麗だよ?」
 
永茉は、落ちてる葉っぱや花びらを拾って上に
 
投げた。ひらひら落ちていくのが綺麗らしい。

「えっと、それも…あんまり…」
 
華鈴は、びっくりしていた。
 
なぜなら永茉が、バカみたいに楽しんでたから。

「なんで?楽しいよ?」

「いや、だって汚いよ…」

「うん。でも、遊具とかも、汚いよ?」

「…それは。」
 
華鈴は、汚れるのが嫌いだったから… 

「あと、手、洗えばいいじゃん!いつも洗うしー。変わらないよ?」

「…そうかもね。」

「はい。一緒に遊ぼ!」
 
永茉は、大きな葉っぱを2枚華鈴に渡した。

「両手に持って!」

「…これでいい?」

「うん!」

「永茉の真似して!」

「うん。」
 
永茉は、走りながら葉っぱをぱたぱたした。
 
華鈴も、少し恥ずかしがりながらも真似をしてみた。

「ぱたぱたー!飛べそうでしょ!」

「ぱたぱた…ん…」
 
華鈴は、立ち止まって下を向いた。

「ん?どうしたの?華鈴ちゃん?」
 
永茉が、華鈴の顔を見ようとすると…

「ふっ。えへ…えへへ。バッカみたい!」

「ん!」
 
華鈴が、笑った。

永茉は、華鈴の笑顔を見た瞬間「はっ!」ってなった。

可愛かった。とっても素敵な笑顔。
 
永茉も、すぐに一緒に笑った。
 
それを見た周りの子達も寄ってきて一緒に遊んだ。