君のせいで変わった、僕の人生

入学式が終わり、クラスに行く途中、お母さんに会った。
「すごい緊張してたじゃーん」
ほくは顔を赤くして答えた。
「いや、だって知らない人しかいないんだよ!?」
僕のことをよく知っているお母さんはにやにやしながら話を聞いていた。
「まあ、そっか!」
なんだよ、ただの煽りじゃん…と思いながら教室へ向かった。
教室に入り、自分の荷物を置くとみんなどんな表情でいるのか気になって見てみた。
あ、意外とみんな緊張してそう…少し安心できる。…のか?わからない…
数分して担任の先生がやってきた。 先生は「相川冷英(あいかわれお)」というそうだ。かつての生徒には 「あいちゃんなど)」と呼ばれており、僕たちにも、そう呼んでほしい、らしい。

「さて、みなさんにも自己紹介をしてもらいましょうか。」
とあいちゃんが言った後、教室はザワザワとしだした。なんか、みんなは もう友達がたくさんいるらしい。まわりの人とめっちゃ話してる…。コミュ障の僕にはむりか…
なんか、みんなちゃんとした内容の自己紹介しているなあなんてボーっと聞いていたら「じゃあ、次はりんねさん」といわれてびっくりした。心臓バクバク。
話す内容何も考えてなかった…もう、アドリブで行くしか…?
「白石りんねです…鉄道好きです、よろしくおねがいします」
拍手が教室にひびく。席へもどる途中コソコソと話している2人組を見つけた。
一体何を話してるんだろう…
どれくらい時間が経ったのだろうか、なんかかわいい(?)女の子が声をかけてきた。
「野々村奏です。りんねくんよろしくね!」
ああ、変な人に会ってしまったな…と思ってしまった。
今は休み時間か…
「あ、こんにちは…」
今度はグッとを近づけて聞いてきた。
「鉄道好きなんだってしろわたしと同じじゃん、仲良くしようね!」
にっこにこな笑顔で言われて、少しとまどったが、友達がいない僕にとってはありがたいことだ。
「そうなんですね…おねがいします…」
え僕、今なんて言った!?おねがいします!?何に対してだよ…自分で言っといてこれは何だと思うけど
「よかったぁ、私さあ、友達少なくてね…」
そんなにこにこ笑顔でいろいろ言われてもなぁ。
「そ、そうなんですね。それはよかったです」
そこで、なにか気づいたのか、人差し指を見せ、こう言った。
「よか?敬語、うちには使わんとって。同級生なんやし。それにしゃあ うち使わるーんあんまり好きやなかばいね…」
え…?今、何弁だった…?まあ、とりあえずいっか。僕も敬語を使うのが苦手だし…
「そうなの!?おれも同じやぁ…」
「やった!!」
うれしそうな顔をしながら自分の前を歩いていった。 そういえばあの子の名前、なんだっけ…