「おはよう」
リビングに行き、一番最初にかかってきた声はお母さんのものだった。
「おはよう」
ぼくが眠そうに答えたからか、
「今日が楽しみ過ぎて、あんまり寝れなかったんでしょ」
と言われてしまった。まぁ、実際そうなんだけどね。
「うん、気づくのすごいね」
「そりゃぁ、あんたの親だからね。とりあえず、朝ごはんたべよっか」
いつも通りの、少しの会話を交わして、食卓についた。
目の前に置かれている朝ごはんを見た。それは、僕の大好きな唐揚げだった。
「いただきます」
と言いながら、唐揚げをほうばった。いつもよりもおいしい気がする。そう感じたのは気のせいだろうか。
味噌汁、ごはん、唐揚げなどをぺろりと平らげた。
「ごちそうさま」
そう言って、はしを置くと、シンクにいるお母さんが口を開いた。
「今日は8:30に出るよ~」
そう。今日は高校の入学式である。
「うん、わかった」
そう言って僕は自分の部屋がある3階へ、支度をしに行った。
昨日、何回も確認したから大丈夫だと思うけれど…。一応、もう一回確認しとこ。
…うん。大丈夫。日本の僕、さすがだわぁ。
そう自己満をしながら、8:00ごろまでの1時間、自分の推しの動画を見ながら机に向かっていた。