にくゑ-断片

■断片37|エピローグ
【メモ帳より】
#にくゑ #創作ホラー #断片連載 #一次創作

 これで 終わった
 吉川先生と二人で 村に火を
 ガソリン撒いて あちこちに
 村の人たち 最後まで笑ってた
 燃えながら 笑い続けて
 清音も笑ってた
 でも その笑顔は安らかだった
 にくゑは 静かになった
 もう 誰も苦しまない
 私ももう ながくない
 体中やけただれて もう何も感じない
 このメモとボールペンが きせき
 でも ひとつだけ心配
 沙織さんのお腹にいた赤ちゃん
 あの子だけは 火の中でも燃えなかった
 小さな手が 灰の中から
 まだ生きてる
 でも私には もう
 あの子が何になるのか わからない
 この記録だけは のこす
 誰かが読んで 真実を
 もしあなたが地方移住を
 きをつけて
 やさしすぎる村 おいしすぎる食べ物
 そういう場所には かならず理由が
 私みたいに ならないで
              あず さ

 もしこの記録を読んで 似たような村を
 ぜったいに近づか
 そして できるなら もやして
 でも もう手遅れかも
 この記録を読んでるということは
 あの子が あなたを呼んだ
 のかも
 しれな――――