にくゑ-断片

■断片20|夢で見た祭り
【メモ帳より】

 また変な夢見た。

 太鼓の音が遠くから聞こえてくる。
 村の中央の広場で、村人が輪になって踊ってる。

 でも普通の盆踊りじゃない。
 足音がぺたぺた湿ってて、誰かがうめき声みたいな音出してる。
 笛の音に混じって、ぐちゃぐちゃした音が響いてた。

 輪の中央に、何かが置いてある。
 白い布で覆われてるけど、下から赤い液体が滲み出してた。

 村人の顔、みんな恍惚とした表情。
 口の端に、何かが付着してた。

 清音だけが踊りの輪から離れて立ってた。
 私と目が合うと、ゆっくり首を横に振った。

 ──来てはいけない。

 そう言ってる気がした。

 でも夢の中の私は、だんだん輪の中央に近づいてった。
 白い布の下を見たくて、見たくて仕方なくなった。

 布をめくった瞬間──

 目が覚めた。
 でも、ぐちゃぐちゃした音が耳から離れない。
 夢だよね?
 でも、なんでこんなにリアルなんだろう。