澪の体調は日に日に不安定になっていた。
海翔は毎日病院に通ったが、授業やアルバイトの関係で、どうしても会えない日も増えていく。
「今日は来れない…ごめん」
メッセージを打つたびに、胸が苦しくなる。
澪も返事を打つ手が震えていた。
「無理しなくていいよ…でも、会いたかったな」
その言葉に、海翔は申し訳なさで胸が痛む。
顔を合わせられない日々は、二人の心に小さな亀裂を生んだ。
海翔は「もっと早く会いに来ればよかった」と後悔し、
澪は「迷惑をかけてしまう」と遠慮する。
けれど、短い時間でも会えた瞬間、互いの心は確かに繋がる。
「次は必ず会おう」
その約束だけが、二人の支えになっていた。