今日は本当に最高の日だった。

　遊園地でのデートを楽しんだ私は、ベッドに横たわりながら今日の余韻に浸っていた。美織ちゃんとの三人デートとはいえ、井村君と手を繋ぐことが出来た。

　そんな機会を作ってくれた美織ちゃんには感謝しかない。

　あんなにアイドルみたいな顔をしているのに、どうして心まで綺麗なんだろう。神様の配合ミスっていうか、一人の人間に二物も三物も与えられているのを見ると、それだけで闇に堕ちていきそうになる。

　ああ、ダメだよ。あんなにいいコに嫉妬するなんて。

　だけど、井村君がちょいちょい美織ちゃんを見ていたのが気になるところかな。……井村君、もしかして美織ちゃんのことが好きなのかな。

　人の恋路をどうこう言いたくないけど、それだけは嫌かな。だって、私だって本気で井村君のことが好きなんだもん。彼のことを想うと、寝付けなくなっちゃうぐらいに。

　だからこそ、美織ちゃんに目移りしかけているところで強引に手を握ったのもある。私の方が君のことを好きなんだよって、何が何でもアピールしておきたかった。

　これからもずっと彼と一緒にいたい。それこそ、これからの人生を伴にするぐらいの勢いで。

　でも、井村君はクラスで一番人気だ。きっと他の女子だって狙っているに違いない。美織ちゃんがそうでなくても、他にもかわいいコはたくさんいる。

　油断している間に井村君が告白されて、それで付き合うことになっちゃったらどうしよう。それこそ、私はもう生きられないかもしれない。

　ああ、良くないな。少し前までは幸せでいっぱいだったはずなのに、ちょっとしたら焦りと嫉妬で悶々としている。世間一般の女子って、毎日こんな苦しみと戦っているものなの？

　美織ちゃん……大好きだけど、井村君を持っていかれたら怨んじゃうかも。でも、そんな風になってしまう自分を想像するのも嫌。もうなんか、どうしたらいいの？

　……決めた。

　私は明日にも井村君に告白する。

　そして、こんな悶々とする夜とはおさらばするんだ。たとえ、その結果がどうなろうとも。

　……でも、でもでもでも、出来ることなら、っていうか絶対に告白を上手くいかせたい。

　なんか、この告白に失敗したら、私は死んでしまう気がする。ヤダ、そんなの。

　とにかく、やるなら勢いづいている今しかない。その時を考えると死ぬほど怖いけど、今ここで一生分の勇気を出そう。そうするしかないんだ。