――死んでからずいぶんと経つなあ。

 もう何年目なんだろう?

 昔のクラスメイトなんて、とっくに大人になってるよね?

 正和君とか、菜々ちゃんとか元気してるかな。しばらくぶりに会いたいな。今はどこか遠くに住んでいるかもしれないけど。

 それでも、ここで待っていれば同窓会でも開かれるんじゃないかって思っていた。

 けど、そんな気配もないよね。大人になったみんながビールとかを飲んでる中、あたしがしれっとその中に入っているの。そういうのって、ちょっと想像すると面白いじゃない?

 だけど、そんな夢が叶うこともなく、あたしは睡眠すら必要のない体(?)でこの学校に住み続けている。

 いや、まあさすがに慣れたんだけどさ、何て言うか、あまりにも長くここにい過ぎたっていうか、時間が止まったまま宙ぶらりんになっている期間がこれほどまでに長くなると、もうあたしは永遠にここから出られないんじゃないかって気分になるよね。

 生きていればそのまま高校生になってたんだろうか。今どきの女子高生って、JKって呼ばれているんだよね? それは生徒たちの会話から知った。あたしがずっとここにいる間、時間だけは無常に流れていく。

 ああ、散々待ってたんだからさ、なんか面白いことが起こったりしないのかな、なんて思ってる。

 生きている間は結構モテたけど、恋人の一人でも欲しいな~なんて思う。まあ、幽霊にそれは贅沢か。どこかから白馬の王子様が現れないかな。