「いやあ、お美しい奥様でいらっしゃいますね。ドレスがとてもお似合いで」
「ありがとうございます」
彩雪は照れてうつむいた。
ドレス姿を煌真に見せたときにもほめられたが、誉め言葉には慣れていないので、毎回照れてしまう。
そのまま彩雪と煌真は、彼の軍隊仲間に取り囲まれた。
彼らは競って彩雪に話しかける。
「煌真は健康なら優秀な将校になっただろうと言われてたんですよ。治った今はもう完璧ですね」
「医者としても優秀なんですけどね」
「銃の腕がとんでもなくずば抜けてて、それだけでも医者にしておくのは惜しい」
「馬術もすばらしいよな」
「霊力不全症候群が治ったなら、今からでも……」
わいわいと囲まれ、煌真がいかに人気であるかを知って、彩雪は嬉しく彼を見る。
煌真は優しい微笑を返してくれて、それだけで幸せな心地になった。
残された千代子はぎりっと彩雪の背をにらむ。
社交の場に戻った煌真に次に話しかけたのは、あやかし退治で有名な男性だった。ほかにも将校クラスの軍人の客が多く、客の中には有名な俳優もいた。
「軍医総監までいらっしゃるとはな」
「軍医のトップだろ」
会話が漏れ聞こえて、千代子は歯噛みする。
「なんであいつなんかが……」
いつもなら夜会で主役になるのは自分だった。貴重な癒しの異能を持ち、妙齢である自分は多くの男性の注目の的だった。
なのに、今は彩雪が話題の中心となっている。
「ありがとうございます」
彩雪は照れてうつむいた。
ドレス姿を煌真に見せたときにもほめられたが、誉め言葉には慣れていないので、毎回照れてしまう。
そのまま彩雪と煌真は、彼の軍隊仲間に取り囲まれた。
彼らは競って彩雪に話しかける。
「煌真は健康なら優秀な将校になっただろうと言われてたんですよ。治った今はもう完璧ですね」
「医者としても優秀なんですけどね」
「銃の腕がとんでもなくずば抜けてて、それだけでも医者にしておくのは惜しい」
「馬術もすばらしいよな」
「霊力不全症候群が治ったなら、今からでも……」
わいわいと囲まれ、煌真がいかに人気であるかを知って、彩雪は嬉しく彼を見る。
煌真は優しい微笑を返してくれて、それだけで幸せな心地になった。
残された千代子はぎりっと彩雪の背をにらむ。
社交の場に戻った煌真に次に話しかけたのは、あやかし退治で有名な男性だった。ほかにも将校クラスの軍人の客が多く、客の中には有名な俳優もいた。
「軍医総監までいらっしゃるとはな」
「軍医のトップだろ」
会話が漏れ聞こえて、千代子は歯噛みする。
「なんであいつなんかが……」
いつもなら夜会で主役になるのは自分だった。貴重な癒しの異能を持ち、妙齢である自分は多くの男性の注目の的だった。
なのに、今は彩雪が話題の中心となっている。



