いつ眠って、いつ目が覚めたのか曖昧なまま、夜が少しずつ薄くなっていく。

体育館の天井はまだ高くて、雨音は相変わらず、鉄骨のどこかを選んで叩いていた。

非常口の緑は、毛布の皺を細い川みたいに照らす。

父はうとうとし、母は私の肩に毛布を掛け直してくれる。

膝の上の光の丸は、私の呼吸に合わせて小さく揺れている。

トン、トン――手首の下で脈を探してみる。

昨夜より見つけやすい。

四つで吐いて、また四つ。
入り口の方で、濡れた靴の音がいくつか重なった。

新しく来た人の気配だ。

受付の机で名簿を読む声が少しだけ大きくなる。