丸は揺れても、私の意思で止められる。

そこが今夜の安全地帯になる。

四つ吸って、四つ止めて、四つ吐く。

胸の波紋は、さっきより静かだ。

名簿を読む声が一区切りつき、遠くで誰かが毛布を広げる音。

長い夜はこれからだけれど、ここでならやり過ごせる。

私は光の丸を少しだけ広げてから消し、毛布を肩まで引き上げた。

雨はまだ、やまない。

けれど、逃げずにいられる場所が、今はある。