私はノートを閉じ、スマホを伏せて、部屋の灯りをつける。

机の上に置いた懐中電灯は、今は要らない。

でも、丸い光の場所は胸の中にある。

四つ吸って、四つ止めて、四つ吐く。

これからの道に白いテープの継ぎ目はない。

それでも私は、自分の目で、世界を選ぶ。

誰かの言葉の切り取りじゃなく、私の呼吸と、私の足もとと、私のノートで。

胸の内でトン、トン。

私は小さくうなずき、明日のページの余白を指で確かめた。

そこに書く言葉を、私が選ぶ。

ゆっくりでいい。

隣に、同じ歩幅で歩く人がいるから。