君に出会った放課後、夕陽の教室で私は少しだけ救われた

ダイニングは朝の光で満ちていた。

父は新聞を広げ、母はカップを並べている。

トーストと卵の匂い。

手を合わせて座ると、父が顔も上げずに「復習は?」とだけ言った。

「まあ……少しずつ。」

できるだけ軽く返した。

母は笑って「大丈夫よ、結衣なら。」と言う。

その声は優しい。

けれど耳が覚えすぎていて、今は少し痛い。

スープを飲み干し、鞄を肩にかけた。