「……ありがとう」

気づけば声に出ていた。

颯太は振り向き、にこりと笑った。

その笑顔は、照れ隠しのようでもあり、心からの優しさでもあった。

「じゃ、約束な。日曜、一緒に勉強な」

軽い調子なのに、胸がきゅっと締めつけられる。