「じゃあ、俺もその時間合わせるわ」

そんな言葉が返ってくるとは思わず、足が止まりそうになる。

けれど彼は振り返らず、ポケットに手を入れたまま歩く。

私の方を見ないその横顔に、不思議な安心感があった。