塾を出ると夜風が頬を撫でた。

街灯の下、ふたり並んで歩く。

颯太は「今度、日曜も来るか?」と何気なく聞いた。

その声は軽いのに、なぜか胸が高鳴る。

「うん……多分」

――自分でも驚くほど素直に答えていた。