授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、塾の自習室もざわめき始めた。

ペンを置くと、手のひらが少し汗ばんでいるのに気づく。

集中できた時間は確かにあった。

隣を見れば、颯太が問題集を閉じ、ほっとした顔をしていた。

その視線と一瞬ぶつかり、心臓が跳ねる。