「さっきよりマシ」

そう答えると、彼はにやりと笑った。

その笑みが勉強の疲れを少しだけ忘れさせてくれる。

机の上に置いた消しゴムを彼が指で転がす。

軽い音が静かな部屋に響いて、それすら少し楽しかった。